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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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ラプンティ・アルニスのルーツに蔡李佛拳がありました

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 ただいま、身内の間に衝撃が走っております。

 現在私たちの一味しか日本で行っている者が居ないラプンティ・アルニス・デ・アバニコですが、そのルーツが日本人を含めた倭寇の多国籍軍にあるということはこれまでも書いてきました。

 それはエスクリマ全般に言えることなのですが、特にラプンティ・スタイルに関してはもろに中国武術が土台になっているという処に最大の特徴があります。

 そのために私は現地に行った折に「なんでお前、俺たちのが出来るんだよ!」ということになってグランド・マスターに引き合わしていただき、面接の結果、実はカンフーのマスターをしているということを白状して「流派はなんだ?」と訊かれて「蔡李佛です、サー!」と答えると「よし、お前をマスターにする」という流れになった次第ですが、これ、すごく面白いすれちがいのような知らずに会ってたら親戚だったみたいなミラクルが起きていたのです。

 ラプンティ・アルニスに中国武術の色を強くしたのは、ジョニー・チュテンというマスターだと聞いていたのですが、このマスターのカンフーを知りたいというのが長い間の私の希望でした。

 そのカンフーは、現在もモンゴシという名前でラプンティにおいて併修されているのですが、次の渡航でこれを学ぶと言うのがグランド・マスタルの立てたスケジュールでした。

 それが学べれば、一体中国でいうどのカンフーなのかの大要がつかめるかもしれない、ひいてはジョニー・チューテン師がどのような過程でどのカンフーをフィリピンにおいて学び、普及させていたのかが分かる。

 しかし、スペルが分からないこともあってジョニー師のことは検索をしても有益な情報を見つけることが出来ず、次回の渡航にすべてをかけるばかりでした。

 ですが、昨年までは一人で研究をしていた物の、帰国してからサウス・マーシャル・アーツ・クラブでは私以上に熱心に練習に取り組んでくれて、本邦最初のラプンティ・アルニスダーとしての追求をしてくれてる皆さんが居てくださって、そのうちの一人、ヌンチャクチャンピオンの味噌ちゃんが下のサイトを翻訳して読んでくれていました。

 

https://lapunti.org/about/lapunti-arnis-de-abanico/

 

 いきなり、答えを出す大発見です。

 Lapunti is also the only style of arnis or eskrima that makes use of ‘cross-legging’, or the cross-legged stance and footwork. It has been compared by some to tai-sabaki (evasive body shifting) of Japanese martial arts, but its real roots are in Kung Fu, particularly the cross-legged footwork of Choy Lee Fut. Grand Master Johnny Chiuten—a Filipino-Chinese Kung Fu master and a legend in his own right in early Philippine martial art circles—is credited for incorporating cross-legging, as well as a variety of locks and takedowns, into Lapunti. This style of footwork was further developed by Lapunti’s present Supreme Grand Master, Undo Caburnay, into the form now uniquely identified with Lapunti.

 

 大要を訳すとこういう感じのようです。

 

 ラプンティはクロスレギングやクロスステッチのスタンスとフットワークを利用した唯一のエスクリマです。

 そのルーツはカンフー、特にCHOY-LAY-FUT(蔡李佛)のクロスフットワークにあります。

 フィリピンの中国武術のマスターでありフィリピンの初期の武術界の伝説であるジョニー・チューテンは様々なロックやテイクダウンをラプンティに取り入れていると評価されています。

 

 おおう。

 すべての謎が解けた気がします。

 もともと蔡李佛のマスターだった私がフィリピンでまた蔡李佛に出会っていたわけですね。

 これは、ルソン島のあたりがもともと倭寇をはじめとした海賊の出没地帯で、そのために武術が発展した場所なのだと考えると当然と言えば当然です。なにせ洪門の代表的武術が洪門のアジトで伝わっていたのだという話なのですから。

 しかし、個人的には極めて昂揚を隠し切れないことです。

 武術における人類学的な価値を重視し、タオや歴史と繋がることで

他者との相対的な競争ではなくて普遍的な価値を感じることでライフ・スタイルとしてのマーシャル・アーツを追求している団体としては、これを判明させるに至ったことはその活動の大きな結果だと思います。

 東シナ海の海賊武術の流れを受け継ぐ日本における唯一の団体としても、非常に価値のあることのように思います。

 このような大きな歴史的発見に生で触れてゆくことは、我々の大いなる喜びです。

 

 


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