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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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6月都内練習会

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 雨で始まった朝でしたが、開始時間の十一時までにはどうにか上がって、今回の都内練習会も無事できました。

 学生さんのうち、肩甲骨周りの筋を傷めていて前回の練習にこれなかったという人がいたので、外気功で診てみました。

 甲骨を砕かれるともう武術が出来ないと言われるくらい、このあたりは複雑にいろいろな細かい筋肉が重なりあっていて、傷めやすくて治しにくいところであるようです。

 いま師父からの課題とされている外気功で、患部を見つけて、必殺の一指禅で気血の流れを促してゆきました。

 これはいわゆる点穴とはちょっと違うところがあります。

 気血の理屈で言うと、そこに拙力が滞ってしまっている凝りがあるということなので、それを私の指で触れて溶かしてあげるといったところになります。

 上手く溶けた結果、肩甲骨の先の指先にまで気血が通った感覚があったようでした。良かった良かった。

 自分の足の不調に関してもこういうことをして調子を整えていたりします。

 映画、ベスト・キッドの中で、ミヤギ先生が生徒の不調を気功で治すシーンがありました。

 あれは摩法や擦法というもので、私が行った物とは違うのですが、それにしてもきちんと自分の内側の気血と勁の流れをコントロールしていれば、このような気功治療はある程度出来るものです。

 ミヤギ流カラテはあくまで中国から沖縄に伝わってきた直系の物で、日本の空手道とは一線を画すものなのですが、おそらく現代の琉球空手ではこのようなことをきちんと継承している先生はもうほとんど居ないでしょうね。

 なにせ、沖縄の道場にも日本式の神だなが祀られていて、本土式の道着を纏っている時代です。

 日本の武道家が流儀に則った治療が出来ないというのは中国では昔から嘆かれていることのようです。

 昔は本草や養生術が中国から伝わっていたのですが、明治以降すっかり廃れてしまったようです。

 やはり、近代化によって西洋医学がメインストリームになったので必然ではあるのでしょうが。

 この土壌の上で日本人が中国武術をすると、やはり同じようになることが多いようです。

 私がやった程度のことは、ただ相手の身体の中の気や勁の流れを見取ってそれの滞っているところに触って力の流れを誘導してあげているということなので、日本人が大好きな柔派拳法をきちんとやれば本来出来るはずのことだと思うのです。

 その辺りをおろそかにして、西洋体育式の競技化などを推し進めるあたり、やはり日本人の精神の東洋的見失い方は相当な物があるように思います。

 アジアで最も早い段階で西洋化を進めて経済発展をする過程ではどうしても必要だったのかもしれませんが、あまりに心と文化を捨て去ってきているようにも私見します。

 私なら、本物の伝統中国武術を学ぶならば、一対一での競技での勝敗に必死になるよりも、身体が動かなくて生活に不自由をきたしている人をどれだけ自由にすることが出来るかということに武術家としての意義を感じます。

 すくなくとも私はそのように教育されて伝人になりましたし、ルーツである少林寺の僧の目的も、そのようなものであったと聴きます。

 精神と肉体の自由こそが主要な課題であり、徳と慈悲こそが修行で求めるべきところだと思っています。

 

 体調の調整の後は、各人のそれぞれの課題を進めました。

 套路をなぞるのは経典を読むことにたとえられます。

 正しい動きを体に入れることで、そこにある趣旨を身に着けてゆくのです。 

                                                                            つづく


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