中国武術の実戦の話 実態編
中学生くらいの頃、ジャッキー・チェンは実は功夫ではなくてスタントマンだという話を聞きつけました。 それから、ジャッキーは見せるアクション、ブルース・リーは本物の武術家だと言うことでプルプルと興奮しながらビデオを観ていた物です。 しかし、それこそが中学男子の浅はかさ。 ブルース・リーは確かに本物の武道家でしたが、彼が本物の功夫を学んでいないのはいまではよく分かっています。...
View Articleジョンとボブ
ジョン・レノンの様々なエピソードを聴くと、時々涙が出そうになります。 彼の愛と平和を発信した生き方が胸に響く。 私たちの世代は彼がそういう人であると言うのは当たり前の印象として持っていますが、実はそれは彼のアーカイヴからすると後期のみとなるのだそうです。 もともとは町の不良、軽いポップスのバンドマンでアイドルというのがビートルズ時代までの彼の姿であると言います。...
View Article師父との再会
先日、師父とお会いしました。 三月に帰国して、そのまま私は自粛に入っていたので、およそ九か月ほどぶりになりますでしょうか。 いつも、お会いするたびに世界の見え方やいま考えていることなどを話すのが練習の半分ほどを占めていますので、今回もそのような流れになりました。...
View Articleロスト・ジェネレーションとパラダイム・シフト 1
私は幻想文学マニア、パルプ小説マニアで、本棚にはダンセイニ、ホジスンからアルジャーノン・ブラックウッド、ハワードと来て当然、ラブクラフトがあります。 これはあくまでパルプな趣味であって、いわばある種の本道としてはいわゆるロスト・ジェネレーション文学が好きでした。...
View Articleパルプ小説とパラダイム・シフト 2
さて、第一次大戦周りの世界での価値観の変化と同時代の作家たちについて前回は書きました。 今回はその具体的な例をあげましょう。 まずはこの夏、およそ二十年程ぶりにコナンを購入したと言うことを以前に書きましたが、まさに作者のハワードを取り上げたいと思います。...
View Articleパルプ小説とパラダイム・シフト 3
さて、原始的な人間の生命をバーバリズムとして讃えてきたコナン・シリーズですが、では、彼らの時代の白人種が野蛮人だと見なしていた黒人種に関してはどのような視点を抱いていたのでしょうか。 コナンというのは、映画での印象が強いとシュワルツェネッガーの金髪、白色的なイメージがあるかもしれませんが、原作では黒髪で褐色の肌の野蛮人です。 大男ではあるのですが、ボディビルダーではありません。...
View Articleパルプ小説とパラダイム・シフト 4
ハワードは、30の時に母親が亡くなったのをきっかけにライフル自殺をしました。 これ彼がマザコンであり、母親意外に心を開いていない青年だったからだと言われていましたが、最近の研究では元々ひどい厭世主義者で世の中と彼の間で緩衝となっていた母親が居なくなったのをきっかけに、生きて行く希望を失ったためなのではないかということが言われているそうです。...
View Articleパルプ小説とパラダイム・シフト 5
前回は、ラブクラフトのホラー小説がキリスト教社会の常識と言う物が根底から覆される恐怖だと言うことを書きました。 これは私のようなクリスチャンではない人間にとっても感情移入できるお話です。 自分が当たり前だと思っていたことがホントはみんな嘘だと分かったら、ということは、多くの大衆の不安神経症発作を掻き立てることでしょう。...
View Article鉄線と銅人
前にも書いたように、岳家拳では組技を多用する術を沢山教わります。 頭は人の根という言葉の通りに相手の顔をのけぞらせて倒す技法、十字に相手の腕を封手して連撃する方法、それを打にせず十字に抑えたまま倒す梱手などがあるのですが、この梱手、実は返し技がある。 教わったときに老師に梱手を掛けに行くと、急に腕が動かなくなります。 両腕が鉄でできたように重く動かない。 これは勁が通ったときの感触です。...
View Articleタオで観る変容の時代 1
日本のワクチン接種「集団免疫獲得は2022年4月」。アメリカとの差は1年(英調査会社) | ハフポスト (huffingtonpost.jp)...
View Articleタオで観る変容の時代 2
変容は土行に属するということを書きました。 土行の相生と相克は、土生金と木克土です。 土生金とは、土は金を生むと言う意味です。 実際は土が金属を産むということはないのですけれども、五行思想では土の中の力が働いて金属に結晶すると考えられています。 あくまで仮想としての力の方向の仮託ですね。 金属は尊い物であり、中国仏教では悟りのことを金剛と呼んだりします。 金剛とはすなわちダイヤモンドです。...
View Articleタオで観る変容の時代 3
前回は土生金について書きましたが、今度は木克土ということに目を向けてゆきましょう。 木行、植物は地面に根を張って穿ち、そこから養分を摂るので木行が土行を克すると言われているようです。 土用、土行の時代は変容の時期で世界が大きく変わります。 この時に働いている変化の力に対して、足場にしがみついて執着していると、その変容の力をスポイルすると考えられる。 いわばブレーキをかけているので当然ですね。...
View Article倭刀術私見
本日は先週よりだいぶ回復していたので、カフェで朝食をした後に老師のところへ行きました。 拳術の部、岳家拳は七路まで行きました。 放課後レッスンでは倭刀を。 近代式の破鋒八刀から進展しました。 単刀法撰からの勢法を学んだのですが、これ、面白いのは日本の刀術とは違って峰のところを左手で持って使う動作が非常に多いことです。 受ける時とかだけでなく、斬るときもそうやって斬ります。...
View Article伝承の変化
皆さんは、悪路王をご存じでしょうか。 坂上田村麻呂に調伏されたと言う鬼のことなのだけれども、一般には王朝による土着民の征服を鬼退治の物語としたと言われています。 この、起きた出来事が物語化されて、のちに違うヴァージョンに変遷して伝播してゆくという現象は見民俗学にはままあることです。...
View Articleカニバリズムと悟り
我々、中国圏の正統な気功や武術のルーツは中国にあります。 いわゆるインド武術やヨガです。 その思想に伴う運動である行の哲学が伝来した物だと言われています。 このヨガ、19世紀以降、イギリスによって武術の側面は禁止され、そうでない部分はエキゾチックな体操に改変されてしまって本来の姿が見失われてしまっています。...
View Article善悪
人気漫画がアニメ化されて、日本経済をだいぶ救っているようですね。 コンテンツ・ビジネスこそが最大の日本経済の資源だと痛感させられます。 その、エンターテインメントの物語についてふと思うことがあります。...
View Article野生児の物語
読み終わっていなかったコナンの残りの巻をこの度のCOVID下で購入し、創元版、早川判に渡って散らばっていたハワード本人著述の全エピソードを読み終わることが出来ました。 実に二十年か三十年くらいをかけた読書体験です。 さて、その間に学問の本ではオルテガ先生の大衆の反逆を読み終えてハンナ・アーレントの解析本に手を出し始めています。...
View Article人の質の基本
私は元々、あまりテレビに出てる俳優さんだなんだには興味がないのですが、それでもまったくテレビを観なくなってしまったいまと違って、子供の頃はまだ常習的にテレビをつけていました。 ティーン・エイジャーくらいのころに人気があった三大女優さんのような方たちがおりまして、その方たちはいま、私より少し年上でアラフィフくらいとなっております。 そのうちのお一人が先日ラジオで、最近何しているんですか?...
View Article内外の勁
老師のところでの練功が本日で納まりました。 岳家拳は八路まで行きました。 一套終了です。 中身のことに関しては、骨格で行う物と内臓で行う物があることを教えてもらえました。 骨格で行う物が外勁。 となると内勁とはつまり内臓を用いる物という解釈で良いでしょうか。 こちらの方法に関しても大要を少し教わることが出来ました。 私のクラスでは、後者の物しか行っておりません。...
View Article続・内外の勁
前回の記事で骨肉分離について書きました。 骨格の運動と、勁の働きは関係が無いというお話です。 外勁ならば運動そのものが発勁動作になるようですが、私が行っている内勁ではそうではありません。 ですので動きを見て真似しても何の意味もないし、動きが違っても要はやってることは同じだったりします。 この、外側の動きのことを私の昔の先生は「ただの移動」と言っていました。...
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