大衆文化とサブカルチャー 7 注・ネタバレ
水木が弔問に訪れたのは、地方の部落です。 ここは大手製薬会社を所有する龍賀一族が代々総代をしているような村で、地元の神社の神主は一族の惣領が務めていると言います。 これ、まさに犬神家の一族が、戦前からの大手製薬会社を運営していて、それによって国策とも密着しており、長野の経済を掌握していたという設定から引用していることは間違いないでしょう。...
View Article大衆文化とサブカルチャー 8 注・核心ネタバレ
最初に遺産の相続人として指名されていたマロが殺されて以後、彼の兄弟たちが次々と殺されてゆきます。 それはすなわち、遺産の転がり先が点々とするということです。 その流れを追ってゆく一方で水木とゲゲ郎にはそれぞれの目的がありました。 水木の目的は、龍賀一族の製薬会社が企業秘密としている秘薬の原料である「M」の正体を知ることです。...
View Article大衆社会とサブカルチャー 9
真相を知った水木は、あまりのグロテスクさにその場で吐き戻してしまいます。 クールでニヒルを自覚していたであろう彼も、この、素朴な田舎の平民の顔をして差別と搾取を当たり前の物として生きているムラの姿に耐えられなくなったのです。 これが権威主義社会というムラですよ。...
View Article套路の文化的側面
先日の同好会活動は、私が自爆内傷を負っていたために内側の活動以外を主体とした稽古になりました。 最後に、雰囲気だけ体験をと思って蔡李佛の套路を行いました。 もちろん、みんなそんなに動きが出来る訳ではありません。 基本の掛錘や掃錘をやったことがあるくらいで、それらもまだまだ形にはなっていません。 立ち方の練習もその日に始めたばかりという状態。...
View Article空間 小宇宙としての人体と勁論 1
私は映画を良く観るので、YOUTUBEでも映画に関する配信を享受することが多々あります。 先日も映画解説者の人たちのライヴ配信を観ていた処、チャット欄で「グランド・マスターの功夫には縦と横しかない」というセリフの意味が分からない、という書き込みを目にしました。...
View Article空間 小宇宙としての人体と勁論 2
「グランド・マスター」の解説の続きをいたしましょう。 映画の中では、イップ・マン師の他に二人の実在武術家をモチーフにしたキャラクターが登場します。 一人は八卦掌の宮宝田大師をモデルにした宮宝森です。 この人は、古い武林を代表する人物で、恨々恩々の伝統的な武士の世界に生きています。...
View Article空間 小宇宙としての人体と勁論 3
実際、南部の方では先に述べた黄飛鴻先生や太平天国の陳享先生など、組織的な軍事行動で活躍した武術家が多い。 宮宝林がその規模に目を付けるのは当然のことでしょう。 しかし、宮宝森はその大望を抱きながらも、武林の恨恩が元で殺害されてしまいます。...
View Article空間 小宇宙としての人体と勁論 4
さて、グランド・マスターでは、前の記事で描いた三人の生きざまが描かれます。 宮若梅は伝統を引き継いで父の敵を討って武林での役割を継承しようとします。 戦争の最前線で心に傷を負った一線天は人間としての生き方を求めて苦悶の流浪をしています。 そしてイップ・マンはと言うと、アヘンを吸って酒を飲んで博打をして不倫のアバンチュールを楽しむ、という、ノンポリの遊び人なんですね。...
View Article空間 小宇宙としての人体と勁論 5
先日、同好会の生徒さんに蔡李佛の基本である八卦拳を良くやっておくと良いですよと言ったところ、やってますよと答えて不思議な動作をしました。 それは……八卦拳には無い動きだぞ? 首をひねりながら観察していると、片手で腹の前で平円を描き始めて、もう片方の手でも同じ高さで平円を描いている。 五祖拳の鉤楊掌の動作です。 おかしいな、私は五祖拳の師父ではないので誰にもそれを教えたことはないはずなのに。...
View Article東北の太極拳から
先日、東北系の太極拳の練習グループが配信した太極拳の動画を目にしました。 このグループは中国最高レベルの名門武術派閥で、歴史上非常に大きな活躍をしています。 ですので、他の幾つもの名門武術と交流を重ね、本門である通背拳類を始めとた回族武術諸門の他にも、色々な武術を伝承しているようです。 ですので、中国武術をしているとなにがしかここと技術が隣り合うこともあるかもしれません。...
View Article台湾の太極拳から
前回は東北地方の太極拳について所見を書きましたが、今回は真逆の南側、台湾の太極拳について書いてみたいと思います。 こちらもどうやら日本に正統な練習グループがあるらしく、系統名を名乗って動画を発信しています。 そこの動画を先日目にしたのですが、これ、完全に鶴拳ではないですか。 元々この伝の太極拳は、白鶴拳士が後から渡来してきた太極拳を学んで独立した物だと言います。...
View Articleワニの脳
ワニの脳みそと言うのは、原始的なことで知られています。 これはまた爬虫類の脳、あるいはまんまワニの脳と呼ばれて、その機能野が人間の脳の原始的な領域に対応した部分にもあると言われています。R領域なんて言われたりもしましたか。 実際に、ワニの脳みその標本をみたことがありますが、これが驚くほど小さい。 アーモンドほどはありません。 その半分、ピーナッツくらい。...
View Article鳳眼拳少し開眼
今年の、夏くらいだったか、それとも秋に入ってでしたか、師父から、ご自身の師父が現地のテレビに出演されて、日本にも支部があるということを語っていたと聴きました。 もちろん、日本の支部というのは師父の会のことです。 ご注意ください、これは蔡李佛の話ではありません。ですのでテレビに出ていたのは私の大師には当たりませんし、私の会、SMACは日本の支部にもあたりません。...
View Article鳳眼拳から断脈へ
前の記事で、鳳眼拳(五祖拳で言う尖拳)の握り方に目覚めたということを書きました。 内勁で少しちゃんと握れるようになってきたのですね。 昔は肉と骨の据え方と言う表面上のことしか考えられなかったので、まったくダメでした。 そう考えると白眉拳は、この用勁が分からないとまったく人が打てないというホントに難しい拳法だと言えましょう。 しかし、これが分かれば確かに物凄い武術です。...
View Article断脈その後
さて、前回書いた断脈についてですが、あれをやったのが週末。 本日が週明け。 今朝、神指圧師氏から、腕が萎えたまま治っていないという報告がありました。 Oh My God……。 腕の中の力の通り道が上手く回復しておらず、力を入れた時に深いところでうまく通らない感覚があるとのこと。...
View Article鳳眼拳から、元の場所に還ることに
師父との、2023年最後の稽古が収まりました。 太極拳、蔡李佛拳、洪拳を教わり、それぞれ新しい内容について大変得るところがありました。 もう、充実しすぎて溢れんばかりです。 本当に、何も持たない、最低だった私の人生はこんなにも豊かな物になった。 師父からも、老師からも人類の宝が沢山与えていただけています。 この日の稽古の中で、師父に前の記事にも書いた尖拳について報告いたしました。...
View Articleつよつよ三点セット着地
つよつよ三点セットの20日練功が終わりました。 結果はという言うと、どうでしょうか。 確かに、基本の三戦に立ち返ってみると、向上したことが感じられます。 体内で勁が強く出て、それを前方に発するのが上手くなった。 ですが、まだ切れるときは切れて失敗します。 以前よりはずっと成功率が上がっていますが。 という訳で。 結果報告としては、これは明らかに、効果あり! と言って良いでしょう。...
View Article豊かな世界
前の記事で、師父との稽古納めの日について書きました。 その日、師父から不意に「本当に鍼灸師にはならないんですか?」と訊かれました。 なりませんと答えました。 私が初めに師父の元に訪れた時は、本当に最低の人生の最底辺を歩いていました。 その人生の中で、何か一つでも正しい物が欲しいと思ってのことでした。 最低の人生の中で、私は同じ最底辺に居る仲間たちの世話をずっと焼いてきた。...
View Article神話学的性愛の見解について 1
昨年末、ジョーゼフ・キャンベル教授の「野に雁の飛ぶとき」を読み終えました。 この本は「千の顔を持つ英雄」や「神の仮面」と違ってタイトルが非常にあいまいです。 それで何について書いている本なのかが分かりづらいためもあってか、著書の中ではマイナーな部類だと言えると思います。 この、雁のタイトルについては、ネイティブ・アメリカンの伝承にある物であり、いわば一種の「解脱」を意味しています。...
View Article神話学的性愛の見解について 2
前回では、政治権力維持の権威としての宗教と、人間の成長の縦軸への指針としての神話と言うキャンベル神話学のあらましについて述べました。 ネイティヴ・アメリカンは部族によっては、シャーマンと言う職がないと言います。 なぜなら、すべての人がシャーマン的な能力や価値観を持っており、狩人であり、大工であるからだというのです。...
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