神話学から鬼滅の刃に観る家庭の話 2
前回からの続きです。 どうしようもない自己中心的で卑怯な愚か者として登場した善逸少年と、同じく自己中心出来て他者との比較しか価値観を持ってない奇形の子供として登場した伊之助少年ですが、これは実に危険な状態であると言えます。 ことに伊之助少年などは承認欲求と力への欲求を自己の中核として生きているために、ほとんど鬼そのものと紙一重の存在です。...
View Article神話学から鬼滅の刃に観る家庭のお話 3
前回は、クジラの腹の中から二度目の疑似的な出胎を経て主人公たちが生まれ変わる様について書きました。 ここで彼らは、ようやく本式に鬼を退治する部隊の子供として再誕したということなのでしょう。 疑似的に不正が登場もします。 なお、このエピソードに似たお話に、ジョジョの奇妙な冒険第四部の列車内でのお話があります。...
View Article防御が大切 前編
昔、アメリカでUFCが始まったばかりの頃のお話です。 当時はまだ、あのような大会が世の中では他に行われておらず、ある種の実験企画としての側面がありました。 出る側も観る側も経験がなく、また放送する側にもありませんでした。 放送形態もPPVで、放送局発信のコンテンツと言う側面も強かった。 ですので、本番の試合前に選手のインタビューであおったりするような企画が色々と積まれていました。...
View Article防御が大切 後編
前回、パンチは威力ではなくて当て方が大切だ、ということを書きました こう書くと「でもマイク・タイソンが居るではないか」という反論があるかもしれませんが、マイク・タイソンはいてもマイク・タイソンみたいな他の名選手は居ないでしょう。 あれはあくまで例外。 さらに言うと、確かに彼は攻撃力が高かったですが、同時に戦い方もそれを活かした特殊なカスタマイズの物でした。...
View Articleほんとう
先日、老師が見せてくださった白鶴拳が、これまでの物とは全く違うヴァイブスの物でした。 套路が違ったわけではありません。同じ物です。 しかし、動きそのものがまったく違う。 私がマンツーマンで教わったときに強調されていたのは、動作を小さく、最小限で行う形の物でした。 ですが今回見せてくださったのは、実にのびやかで、そして結果速い。 動き出したら止まらなくなる。 動きが小さければ、それはすなわち早い。...
View Article功利主義と規範主義
私は平素から、自分は功利主義者だと認識していることを公言しています。 功利主義というのは、より多くの人の幸福を追求する、という立場のことを言います。 これを「最大限最大多数の幸福」原則などと言います。 この主義を説明する例え話でよく引き合いに出されるのが、火事場のお話です。 目の前の建物で火事が起きて、逃げ遅れた人を一人しか助け出せない場合、誰を選ぶか、という問題が生じます。...
View Article瘀血エクスペリエンス
こめかみに鍼を刺すという練習が始まりました。 これはちょっと怖い感じがしますが、頭蓋骨は硬いので本来は安全な防御があるはず。 しかし、これにはもう一つ別の要素もありました。 脳が大切なので頭蓋骨が堅いということは、それだけではなくて頭を覆う筋肉は結構硬いということです。 食べ物を嚙むときに使う咬筋は人間の筋力の中でも最も高い数字を出せる筋肉です。...
View Article養老先生のお話
先日、地元の元祖ヒッピー、ロバート・ハリスさんの文化紹介FM番組に、脳科学者の養老猛先生が出てらっしゃいました。 これは、現行の日本社会に対して異を唱えるお二人のお話と言うことで大変に興味深い物です。...
View Articleマノマノと岩石落とし
以前に老師から五祖拳の「橋」という動作について教わったときに「これは投げだな」と思ったことがありました。 中国武術の動作は一つの意味だけでは無く、打、摔(投)、擒(掴み)の三つの要素を常に含んでいるのでこれは当然なのですが、その中でも特に投げとしての要素が強いと感じたためです。...
View Article鍼勁
こめかみに鍼を刺すと言う練習をしているという話を書きましたが、これ、私は初めから比較的なんとかやれたのですが、慣れてきたら急に出来なくなると言う壁に当たりました。 もともとなんとなくやっていたので、体系化して体得できていない。...
View Articleモラハラ?
先日、あるきっかけがあって、モラハラの改善を目的としている社会活動団体のサイトを目にしました。 どうやらその主催者と言うのが自分自身かつてはモラハラ夫で失敗をしていたことに気付いたためにいまの活動に至っている、ということでした。「正論で相手を殴らないために」というようなキャッチコピーが踊っていたことを記憶しています。...
View Article世界を面白く生きるため
先日ね、オールナイト・ニッポンの放送開始55周年企画が行われていました。 金曜日の夜から日曜日の夜にかけての55時間、これまでに番組を担当していたパーソナリティたちから抜粋されたDJたちが、二時間づつオールナイト・ニッポン・スペシャルとして番組をリレーしてゆくという企画でした。...
View Article文字と文化
先日、ロバート・ハリスさんの番組で彼が仲良しの大東文化大学の教授と話しているのを聴いていた時に示唆を受けたのですが、日本最古の記録書とされている古事記は8世紀くらいの成立なんですよね。 それまでは日本には文字文化は無かった、と教授は言います。 仏教の伝来に伴って仏教文化という物が伝来します。 文字というのはその中の物ですね。...
View Article対面レッスンについて
私たちの身体哲学団体、サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(SMAC)は、COVID19の流行を私が当時現地修行中だったマニラで確認して以後、対面による活動を休止していました。 それから三年経ち、世の中は当時とはだいぶ変わってきています。 しかし依然、感染症そのものが危険性を失った訳では無く、日々その猛威は継続されています。...
View Article対面レッスンの予定発表
三月中実験的に行おうと思っている対面レッスンの予定のお知らせです。 まずは四日の土曜日、13時より代々木公園で行おうかと思います。 内容は、武術と格技の間を繋ぐ基本の体得を目標として行いたいと思います。...
View Article鉄の兵隊になりたかった
昔、私は鉄の兵隊になりたかった。 世に良い影響をもたらす誰かのために危機を遮る壁としての役割を果たして、人生を終えたいと思っていました。 この場合の良い影響というのは、言うならば私よりもマシな、価値のある人と噛み砕いて良いでしょう。 そういった考え方で、二足の草鞋を履いていました。...
View Article東西の思想で比較する身体操作による精神の成熟について
私たちの会では、アジアに伝わっている伝統的な身体観に基づいた、哲学活動としての運動をすることによって、自己を確立させて心地よく生きるための武術を練功しています。 このようなことを言いながら、実際は何の根拠もないことをやっていたり、ブッダの武術を標榜しながらインドの実際の仏教武術である金剛拳(ヴァジュラ・ムシュティ)とはまったく関係のない創作をやっている団体が世の中には非常に沢山溢れています。...
View Article鶴法の味道
先日、老師が白鶴拳の「本当」を見せてくれてから、五祖拳の套路の中の鶴法の教授が始まっています。 これが、以前に書いたように明らかにフィリピン武術のマノマノ(徒手用法)の原点。 世の中で「東南アジア武術」系とされる動作、少なくともフィリピン武術の部分に関してはこれは間違いなく鶴法由来だと言ってよいかと思われます。 逆に言えば、ほんとうの鶴法の用法は東南アジアっぽいあれなんですね。...
View Article進捗
中国武術には発勁という独自の身体の用法がある、というのは知られた話だと思います。 で、これがまあ、世間では誤解されたままでいて、そのまま創作身体操法ブームが来てしまって、時がたつほど解明されるどころかかえってフェイク・ニュースに紛れて実態が見えなくなっているようにさえ思います。 まぁ、ユーチューブなんかで分かってない人ややってさえ居ない人が何の根拠もない情報を発信し続けていますからね。...
View Article自己の確立について
現代の日本に生きる我々は、自己を確立するということを社会的に忌避されてきています。 これは戦後日本が愚民化政策を敷いてきたことと直結しています。 その前提となったのは近代化という西洋迎合政策があります。...
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