東洋の身体哲学大要私論 6・カーリー女神
ハタ・ヨーガとは一体なんでしょうか。 それは一言で言うなら、クンダリニー上昇を目的としたものである、ということであるそうです。 これはどういうことか。 丹田、ないし会陰部にある性的エネルギーを脳にあげて脳の活性化を促す、という物です。 これは、私たちの気功では環精補脳法と言います。 行としては小周天言います。 まったく同じことなので、ハタ・ヨーガから来た物だと見て間違いはないでしょう。...
View Article東洋の身体哲学大要私論 7・アムリタ
前回は、生命の根源的な力、性の力である精は強いが制御が出来ないと破滅しか及ぼさないので、思考や非物質的な物による制御が必要をするという行が神話の形で伝えられているということを書きました。 これをする方法を、気功では房中術と言います。...
View Article引く勁
以前、私が資格を取った筋トレの理論から見た勁論について書きました。 その時に、筋力の出し方としてはエキセントレーション収縮という物が最も強い力が出せるということを紹介しました。 それがどのような物かの説明として、物凄く低速で進む車の後ろで、バンパーを掴んで車を引き寄せているような状態で働く力だ、と表現しました。...
View Articleもう一つの倭刀史 一・小笠原源信斎
倭刀がどのように発展して、いまに至っているのかというお話はこれまで何度か書いてきました。 しかし、それは中国武術の中でであって、日本ではどうなったのか、ということはほぼ書いてきませんでした。 今回はそちらに目を向けたいと思います。 倭寇の折に中国に伝わった日本剣術、それはその刀術を学んだ武術家と新陰流の伝書によって倭刀術として中国武術化しました。...
View Articleもう一つの倭刀史 二・境地
後の先の新陰流に八寸の延金を持ち込んで無敵と名高かった小笠原源信斎ですが、今回はこの流儀の実に興味深い変遷を語りたいと思います。これからが本題です。 と言うのも、この八寸の延金、無敵の秘技と謳われながらもすぐに失伝してしまったのです。 決して、伝承が難しくて良い弟子が育たなかったからではありません。 その逆です。 源信斎には大変優れた弟子がありました。 その一人は、名を針ヶ谷夕雲と言います。...
View Article次の段階
毎日の生活の中で、積み上げられてゆく物があるというのは心の中で大切な物になっています。 本当は、そのような物がなくても喜びに満ちて生きて行ければいいのですが、そこは悲しき凡夫の性。 最近は、五祖拳の短勁の発し方を教わったのが大変に面白いく日々これを修練しております。 また、内功に関しては、内観をする禅を教わっております。 それをやって思い出したのですが、私は内光の功を得ていたのでした。...
View Article自分に軸を持つということ
最近「自分軸」と「他人軸」という言葉を耳にしました。 ラジオに出ていた女性実業家のような人の口から出た物だったのですが、いかにも私が苦手な労働至上主義系キラキラ啓発主義女性の言葉っぽい感じがする言葉でしたが、これを話していた方の人となりがあってか違和感なく耳に入りました。...
View Article第三の目
シヴァ神とそのシャクティ女神の神話として、ヨーガの行の教えが伝わっている、ということを書きました。 これはシヴァ神がヨーガの開祖として設定されているため、自然そのエピソードに行の要点が集約されているからです。 そのシヴァ神の特徴として、額の第三の目があります。 これはただ、神性の象徴という訳ではありません。...
View Article弱拳法
普段興味を持たない物について調べたり眺めたりしているうちに、これまで目に付かなかった物に出くわしました。 その一つがこの動画です。真面目な話詠春拳やっても強くなれないからやらないほうがいいよ、その物理的理由 - YouTube...
View Articleではなんのために武術をするのか?
「弱い拳法」に関する記事を書きました。 武術の門派ごとのコンセプトと、それにマッチした修練者の選択に関する内容の記事です。 そこでも私はいつもの通り、自分たちのやっている中国武術の目的は識を高めることだ、ということを書きました。 これは中国禅の少林寺、達磨大師、仏陀からインドの神話にまでたどれる、アジアの身体哲学の中核のコンセプトです。 その伝播の経緯もこれまで書いてきました。...
View Article馬に気が付く
五祖拳を教わり始めたころ、平馬が歪んでいることを老師から指摘されました。 それがなぜ歪んでいたのか、いまになって見えてきた物があります。 蔡李佛では、平馬をするときは基本、横向きに用法があります。 歩幅は平馬なのですが、左右どちらかを「前」とみなしてそちら側の腕で順歩の招式を作るときに平馬になります。 拗歩の招式の時には、後ろ手が前に届くために子午馬(弓馬、弓歩)になります。...
View Article対
台湾に、ある有名な先生がおりまして。 この方、私のお友達の先生でもあるのですけれども、非常に上品な外見と苛烈な意見を併せ持たれた方で、私は昔からその先生の考え方や姿勢にに非常に納得をしておりました。 やはり伝統武術の師というのはただの商売人になり下がるべきではないし、政治家に留まるべきでもない。 礼と智を兼ね備え流れも勁烈であるべきだと思うからです。...
View Article偽物からのスタート
先日、ラジオにある作家さんが出ていました。 私は日本のいまの作家さんは殆ど知らないのですが、お話をする小説家という人にはとても興味を惹かれます。 その方のキャリアに耳を傾けると、これがどうもおかしい。 作家が選ぶようなこわもての賞から、現場のアマチュアが選ぶようないわば一種「甘い」賞まで獲っている。 さらには子供向けの本まで書いており、ルポライターもやっているという非常にマルチな才能の方でした。...
View Article龍の王国に起きたこと 1・クマンドラ 注・ネタバレ
以前にもこちらで紹介したディズニー映画「ラーヤと龍の王国」が公開されました。 こちらは劇場でもディズニー・プラスでも視聴が出来ます。 東南アジア周りを舞台にした作品と言うことで、アルニスの練習道具、バストンを持ったヒロインが登場しており、これは我々のための映画が来たのでは!? と色めきたって紹介したのですが、始まって数分、いかん、これはヤバい映画だ、ヤバい奴だ、と震えることになりました。...
View Article龍の王国に起こったこと 2・勢力闘争 注・ネタバレ
さて、前回に引き続き今回も「ラーヤと龍の王国」のネタバレ考察を書いてゆきます。 前回は、あれは東南アジアの現実の歴史を描いているという耳障りの良くない本気度に震えたと言うことを書きました。 それがどういうことか、今回はそこから書いてゆきましょう。 現在、ニュースではミャンマーの問題を目にすることが多々ありますね。...
View Article龍の王国に怒ったこと 3・新しい世界 注・ネタバレ
映画のトレーラーが公開されたときに、ヒロインのラーヤがエスクリマを使うと言うことがフックになったのですが、映画を観てみれば実際にはそれほどではありません。...
View Article猴拳の感動 1
老師の門では、基本練習の時間に猴拳の基本拳をやります。 長い生徒さんが曰くには「老師の本門は猴拳だ」であるようなのですが、どうも教室が広くないので最近はメインでは教えていないとのことだそうでした。 昔の、日本人中国武術家の本に「実戦的な猴拳」という文章がありました。...
View Article猴拳の感動 2
猴拳のお話の続きです。 前回までは猴拳とはどのような物であるのか、ということを書いてきました。 これが、実は中国武術史で極めて重要な物であると言うのは、回族武術の中で重要な位置を占めていることでもうかがえます。 また、卑俗なことではありますが、中国では「実戦なら通背拳」とも言われていて、特に知られています。...
View Articleブラック校則と凡庸な悪
先日、ブラック校則という概念に関する専門家の人のお話を聴きました。 そこで知ったのですが、現在校則というのはものすごく変化している最中で、これはまさに熱々のトピックなのだそうです。 元々、校則と言うのはそんなに厳しい物ではなかったのだと言います。...
View Article核心
長いこと武術をやっていると、色々と出来る物が増えてくる。 でも、老師が曰くにはそれは間違いだと言う。 本当は、理解が進むほど減ってゆく。 あれもこれもではない。 どんどんやることが減って行って、最後には陰と陽の二つだけになる。 同じことを師父は「核心を得る」という言い方で良く言っていた。 なので、私もこの縮小思想が正解だと思っている。 真実に向かうとはそのようなことだと思っている。...
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