藍より青し
満州で生まれたある映画の特撮監督は、船に乗って日本に帰ったとき、港から田畑義男の「かえり船」という曲で迎えられたそうです。 すると、それを聴いて大人たちが泣き始めたので「なんだこいつらは」と軽蔑を感じたのだと言うのです。...
View Article旅立ち前の稽古
一月最後の練習が終わりました。 二月から三月まで、私はタイに修行に行ってまいります。 なのでしばらく練習期間があいてしまうのですが、生徒さんたちはみんな大丈夫そうでした。 正直去年までは、この人たちは大丈夫なのかなあと思っていたのですが、みるみるうちに変化して皆さん普通に出来るようになってきていました。 二期メンの生徒さん皆さん、普通に推しては抜根をしあえています。...
View Articleどうして誰でも良かったのか
突発的に通り魔殺人を繰り返し、最終的に自らの命を絶つ、あるいは絶とうとする、という事件は、アメリカにおいてはテロとしてもそうでないものとしても発生しています。 これは銃社会であることや、国際的な紛争問題であることや、また多国籍社会であることが関連しているという見方もあります。 しかし実際に原因はそこにあるのでしょうか?...
View Article自分とは一体誰なのか
前の記事で、自分が誰か分からないまま歳を重ねてしまった人間がその混乱から無差別殺人を犯すのではないかという類推を書きました。 その中の一人、2014にサンタ・バーバラで事件を起こした一人について取り上げさせてください。...
View Articleそこに在る自分
アイデンティティとは、他人とは関係ないところにある自分自身の感覚であるかもしれないと言うことを書きました。 これは私たちの伝統的な東洋思想による物です。 人の心を精神と言いますが、タオにおいては精とは本能的な生殖のエネルギー、神とは心を意味します。 そして、心とは何かと認識能力だと言います。 すなわち、物をどう感じるかということです。 唐突ですが、私の周りには昔からバカが多い。...
View Articleニンゲンモドキ 1
信長、秀吉、家康公の三大天下人のうち、秀吉公というのは日本が近代に入って爆発的に人気が出たのだと言う話を子供の頃に聞いたように思います。 まぁそれまでは、家康公が権現様だったから当然として、征韓論の浮上した明治以降に秀吉公の人気が上がったというのは、どうも意図的な物を感じて仕方がありません。...
View Articleニンゲンモドキ 2
昔、セラピストをしている友達と話していた時、ヨガを教えてくれるという話になりました。 ほうほう、ヨガも出来るのかと思って教わりに行くと、やおら女性誌のページのコピーを取り出してきました。 教えるというのはそれを見て覚えたヤツのことでした。 なんというか、こういう、ダイジェスト的な物を目にして物を知った気になったり、分かった気になるというのは、この十数年くらいの傾向でしょうか。...
View Articleニンゲンモドキ 3
「習うより慣れよ。学ぶよりまねろ」 これは職業技術を体得する上で良く言われてきたことです。 この言葉もまた、同じようなタイプの隷属的な人間を量産するための標語であったのではないかと言うように感じます。 このようなシステムで横並びに人を見て模倣するような習慣を付けさせると、人は常に周りの様子をうかがってから同じ行動をとるように調教されるのではないでしょうか。...
View Article検査
もう一週間でタイに出発です。 それに備えて、一月末に血管の病院で血液検査の結果を見てきました。 昨年急に死にかけて以来かかっているのですが、おかげさまで静脈血栓の数値は標準値にすっかり下がっていました。 これで完治かな? と思ったのもつかの間、お医者さんが曰く「中性脂肪がちょっと高い、尿酸値もちょっと高い、血圧も高めだから引き続き来るように」とのこと。...
View Articleおてもちゃんの身体
先日踊り場で、久しぶりにおてもちゃんて子と会いました。 あれは、二年前か、三年前のちょうど今頃。 現場で踊ってる私にコンビニチョコのヴァレンタイン・プレゼントをくれた。 そして私を彼女がリーダーとなったパフォーマンス・チームのメンバーにスカウト、というのがそもそものなれそめです。 それ以来、ちょいちょい踊り場で良く出会っては話をしています。...
View Article渡泰
2019年2月9日、とうとうタイ王国の地に至りました。 現在は10日未明。 日本時間で言うと八時なのですが、時差が二時間でこちらの時間では六時前後です。 まだ星が見えていて払暁の気配は無く、真夜中のままの気配を引きずっていて人々が動き出す音はまったく聴こえてきません。 住宅地の中にある学校の寮にいるのですが、周囲のおうちの窓は暗いままです。...
View Articleタイのきっかけ
タイの内功に最初にきっかけを持ったのは、ある生徒さんのおかげでした。 その方は整体を講師までされてる方で、大変に熱心に身体のことを研究されています。 あちらこちらで行われる業界のセミナーなどにも足しげく通い、常に技術と見識を積まれている立派な方で、この方がある日本古武術の身体操法が我々の物と共通すると教えてくれました。...
View Articleタイでの練功
タイについて三日目、日本とは二時間の時差があるので、五時台には目が覚めています。 外はまだ暗い。 ゆっくりと時間をかけて身支度が出来る朝と言うのは、日本では中々持てなかったなあ。 バスタブがあればゆっくりお風呂に入りたいところですが、そこばかりはそうもいかない。 精を巡らせる気功、小周天、法輪気功などをこの時間に行いました。...
View Articleラーンナ民族博物館
こちらに来てかつて城塞都市だった旧市街と呼ばれる地域を歩いていたら、偶然ラーンナ民族博物館というところに行きあたりました。 これはかつてこの地域にラーンナ王朝という国を拓いていた時の文化を展示してある場所のようでした。 私が学んでいる、タイの小乗仏教の身体文化や仏教医学にも通じる物があるかもしれないと思って入ってみたら、思っていたより驚かされました。...
View Article待ち受けていた
ラーンナ民族博物館に行ったことを書きましたが、その中で最も驚いたのは交合仏でした。 あぁ。 当たり前なのですが、小乗仏教なら交合仏なのでしょう。 しかし、これは本当に私にとっては重要なことなのです。 ここの記事を昔から読んでいてくれている人ならご存知だと思いますが、うちの派では精を重視しています。 精とは生殖のために備わった気です。...
View Article体内に働く力を捕まえる
タイでの修行でまず、鑿と槌で人を打つ練習をしています。 これらはコーンとリムと言って、被雷した樹でしか作られないと言う物です。と聞きました。 槌というのは、広東語だとチョイと読みます。パンチの意味です。 まさに我々のため道具と言った感じです。 そして鑿であるリム。 このリムを人の身体に当てて、それをコーンで打つことで威力が体内に浸透してゆきます。 これは我々の武術での鞭槌の感じに似ています。...
View Article消耗
「あなた、疲れそうな顔してるわ」「え?」「我慢して諦めて、最善を尽くす。そういうのって疲れない?」 昔読んだ小説の中に、このようなやりとりが出てきたように記憶しています。 なんだか自分に言われたようだったのでとても印象に残りました。 疲れやすく、汗をかきやすく、あまり食べず、気力が出なくて頑張りが効かない。私は典型的な気虚の相があります。...
View Articleアジアの雑踏の中で
タイ国境側での滞在も、じき一週間になります。 毎日の暮らしもだいぶ落ち着いてきたように思います。 洗濯のペースや、野菜の摂り方、睡眠と気象の時間に練功や読書、お茶の時間。 勉強の後にはコーヒーを飲んで一息つきたくなるので(これを書く時間を過ごしている)、WIFIのあるカフェで寛ぎます。...
View ArticleあらためてDESPACITO
いつも音楽を聴いているので、メモリープレーヤーの中には古今の楽曲を詰め込んでいます。 ベニー・グッドマン・オーケストラが流れたと思ったら、次にはELLA MAYが掛かったりする。 先日は、不意にルイス・フォンシの楽曲、DESPACITOが掛かったのですが、これがイントロが終われば日本語カヴァーの方でした。 https://www.youtube.com/watch?v=IHN02dPSn4M...
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