混沌の大事
人の、語りを集めている人って言うのが居るんですね。 この方たちの活動は、いろんな人たちの話を聴くんですけど、一般的なインタビューと違って促さない。 ただひたすら話を聴いてそれを文字にして記録する。 だから話がぜんぜんずれ込んでも、コンセプトとか一貫性が無くても、それをただそのまま文字にする。 その流れの中、あるいはその語り口そのものに伝わる物があるというのですね。...
View Articleインサイド・ヘッドと失われた30年
映画の「インサイド・ヘッド」というのがありますね。 女の子の頭の中に擬人化された五人の感情が住んでいる、というアニメーションです。 この作品が監督が自分のお子さんのことを思って心理学を勉強したところからスタートした企画だそうです。 そのために学問的な立脚点が明確な、非常にしっかりした作品となっているようです。 お話の主人公となるのは、五つの感情の内、ヨロコビとカナシミと言う二人です。...
View Articleホリゾンタル・プルアップから懸垂へ
COVIDのワクチンには筋肉を炎症させる副反応があると言われています。 私も二度目を打った後には注射した場所を中心にあちこちの筋肉が攣りやすくなりました。 結果、キャリステニクスの力は随分後退しました。 そこであらためてもと来た道をたどりなおしている最中なのですが、その中で懸垂について思う所がありました。 懸垂は以前から私にとって関心の高い種目です。...
View Articleエンドルフィンの魔力
この数か月、「狂気とバブル」という19世紀に書かれた大著を読んでいるのですが、これは過去西洋で起きた集団ヒステリー現象を扱って大衆の愚かしさを研究した書籍です。 もちろん、時代的には大衆と言う言葉を生み出した「大衆の反逆」よりも前の時代のことを書いているので作中にそのような言葉は使われていません。 どちらかというと「愚民」というオブラートゼロの言葉が頻出しています。...
View Article保守と言う信仰 表
夫婦別姓は、なぜ選択制にしても許されないのでしょうか? 現在世界的な潮流となっているポリティカリティ・コレクトの倫理観においては、ジェンダーに関して「他人のジェンダーがどうあってもあなたの人生は関係なく続くのでほおっておけばいい」という見解が模範的な姿勢だとされています。...
View Article保守と言う信仰 裏
前回の記事で、この国の集団的ナルシシズムである保守思想がもはや世界情勢ではまったく通用しないと言うことを書きました。 少子化もオフショア化も失われた20年も、すべてこの保守ナルシシズムと言う信仰が原因です。 にもかかわらず、その被害者であるいわゆる底辺層(私もそうだ)こそ、保守に傾倒してポピュリズムを強めて行ってしまう。 貧困な心理をうまく操作する愚民化教育の賜物なのでしょう。...
View Article段階に関して見えてきたもの
老師から色々と良い物を教わり続けている中で、私の見識や見立てには色々な変化が起きています。 そのうちの一つに「あれ、蔡李佛、通臂なんじゃね?」という物があります。 これはどういうことかと言いますと、元々、現在の中国武術には回族武術の影響が土台にあり、その回族武術には段階として四つの物がある、という説が中国の研究者から出ている、というところからのお話です。...
View Article潭腿に触れて
先日、初めて潭腿を経験しました。 通臂拳の門に備わっている物として、老師が教えてくれたのです。 表演武術の情報しか無い人たちからすると「なんだよいまさら長拳かよ」と思われるかもしれません。 実際にそのような人々というのは居て、以前に「長拳やったことないに伝統拳やってるの?」と驚かれたこともあります。...
View Article道化師の不始末
これね、ハロウィンの日に起きた「ジョーカー事件」として話題に上った件について非常に思う所がありましてね。 というのも、そもそもが、まず私はハロウィンはやるんですよ。 それで、バットマン映画もみんな観てるんですよ。傑作、LEGOバットマンも、クズ以下のニンジャ・バットマンも。 でもって、ハロウィン期間中には毎年一回はジョーカーの仮想もするんですよ。...
View Article筋トレに詳しい人
身体のことを研究していますのでね、自分で運動もしますし、筋トレの資格を取って勉強したりします。 ネットでは、筋トレ動画を観たり筋トレに関する文章の書いてあるサイトを読んだりします。 先日見たサイトには、スポーツ医学歴20年のトレーナーの文が載っていました。 これが面白くて、昨今巷間で流行しているタイプの筋トレに対する姿勢とは少し違っていました。...
View ArticleBOOMER
老害、という言葉を取り扱ったことがありました。 私自身、そのような言葉はバカが使う物であり、そんな安易な言葉で他者を悪者にして自分の不安から楽になろうとするような連中が、間違いなくその後「老害」になると見立てている次第です。 この、老害と言う概念、実はアメリカにもあるそうです。 英語では「ブーマー」と言います。 ベイビー・ブーマーのことですね。...
View Article脳内麻薬 続
以前に、老化した男性は脳の恋愛を司る部分への刺激に鈍感になり、そこからエンドルフィンが出にくくなるということを書きました。 代わりに、水平線から仲間が来るような景色を見るとエンドルフィンが出やすくなるそうです。 考えてみれば、ご来光などもこれですね。 この構造、どうやら元々は原始時代に群れの仲間がやってくることに歓びを感じていたことに通じているそうです。...
View Article牛鬼の正体
備中神楽に伝わる牛鬼についてのお話を以前しましたね。 そこでは牛鬼というのは、熊襲と連合軍を敷いて侵略してきた新羅の部将であり、天皇家によって滅ぼされていました。 姿としては、八つの角を持つ巨大な牛として語られていました。 でも、現代で一般に思い浮かべる、絵巻なんかで描かれている牛鬼って、ちっとも牛じゃないですよね? 虫鬼です。 てか、鬼の要素もよく分からない。...
View Articleルパンとキャリステニクスとフランス文化
引き続きルパンを読んでいるのですけれど、どうもルパンは時制的に見るといくつかのフェイズがあるな、ということが経験出来てきました。 初期の頃、ルパンのシリーズが書かれたころは、もう世間で有名になっている完成された怪盗として設定されていました。 この頃はシリーズ短編だったようです。 編集者が提案して、短編数本をセットにする形で発表されたようです。 ホームズが出てくるのもこの時代ですね。...
View Article海賊との出会い
首都圏での新規感染者数が激減し、ワクチン接種率も75パーセントを越え、いまはだいぶん情勢が落ち着いています。 そこでクラブに顔を出したりすることも一旦再開し始めました。 懐かしい顔に再会しては、これまでどうしていたかという話などしております。 そのうちに、もうずいぶん前から知っている横須賀のセンパイが居るのですが、まぁこの方がイケている。...
View Article歴史に見る初期エスクリマの記録 1
最近たまたま見つけたのですが、以前にこちらで何度か取り上げた「騎士団長殺し」について日本語版ウィキペディアにページが出来ていることを知りました。「マニラの戦い」という名前で載っているはずです。...
View Article歴史に見る初期エスクリマの記録 2
前回のつづきを書いてゆきましょう。 一般に城攻めは攻撃側が戦力で倍は勝っていないと難しいと言います。 この時、先鋒のシオコが率いていた兵は200人の銃隊と200人の槍兵からなる400人。 さらに、後衛として林鳳の本体が続きます。 そして実際に、スペイン側の兵士は情報通りに200人ばかりだったと記録されています。...
View Article歴史に見る初期エスクリマの記録 3
前の記事で書いたマニラの戦いですが、最初の戦いで総督が討ち取られた後、兵士を率いていたのはフアン・デ・サルセードという軍人だと言いますが、彼はただの兵士ではなくて、最後のコンキスタドールと呼ばれる探検家でした。 後発の入植者ではなくスペインによるフィリピン侵略そのものに直接関与していた最初の世代の侵略者です。 フィリピン人たちの抵抗と戦い、その次は近隣初頭のムスリムたちとの戦闘をしてきた人です。...
View Article歴史に見る初期エスクリマの記録 4
前回までは倭寇林鳳による、マニラ襲撃について書いてきました。 この林鳳、スペインの記録ではリマホンと書かれていると書きましたが、この名はリム・アホンと言う二語がリンクした物だと言います。 中国では、回族の司祭のことをアホンと言います。 と言うことは、この林鳳はもしかしたらイスラム海賊だと思われていたことからリマホンと呼ばれていたのかもしれない。...
View Article五祖拳の中の心意把?
先日、老師からオンライン・レッスンで五祖拳の四門という套路を全套教わることが出来ました。 これは四門打角、もしくは四門打転と呼ばれる物で、二つ目の套路の二十拳と同じく四方に転換しながら行う物です。 ラプンティ・アルニスにも同様の構造のサヤウ(型)がありますが、それはラプンティ・スタイルが中国武術から作られているためでしょう。...
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